Gitanの趣味

ひたすら趣味の道を走っています(ニヤリ)

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退廃の香り 

 一番腹が立って悲しい状況というのもを考えてみる。食事に関する侮辱ではないかと思う。CW・ニコルさんの著作などを読んでいると、供された食事を拒否することは、場所によっては命の危険も覚悟しなければならない場合があるという。
 映画『太陽がいっぱい』のなかでアラン・ドロンが魚を食べている。マナーを知らない彼を、モーリス・ロネ演じるフィリップが小馬鹿にする。あれは実にいやな場面で、見ているこちらが馬鹿にされているような気分になった。
 貧しく育った青年が友人からすべてを奪い取ってやろうと考え、友人を殺害する。計画は成功するかに見えたが、やはり失敗する。実にわかりやすいストーリーだ。あの映画はアラン・ドロンという役者がいてはじめて成立する物語だった。
 映画全体に漂っている濃厚な同性愛の匂いも、つまりはアラン・ドロンがいてこそというわけだ。今風の言い方をすればBL風犯罪物語ということになるのだろうか。美青年同士の嫉妬と欲望の物語で、そういう物語を成立させるためには、やはり妖艶な気配を持つアラン・ドロンが必要だったのだと思う。
 たとえばアメリカの美男は美丈夫である。良くも悪くも健全で、善であれ悪であれ、一直線という印象がある。ところがヨーロッパの美男というのはどこかに退廃の香りがある。アラン・ドロン、ヘルムート・バーガー、モーリス・ロネ、ジェラール・フィリップ、ジャン・マレー等々、男前だが、どこか一筋縄ではいかない曲者というイメージだ。
 自分の美しさが女性ばかりか時に男性をも惑わすということを知っている感じだ。色事も秘事も、スポーツじみているアメリカでは逆立ちしてもかなわない玄人の凝った楽しみだ。こういうものにも歴史的背景が必要なのかもしれない。
 谷崎純一郎の『春琴抄』の裏側になにが潜んでいるのか。献身や愛だけでは片づけられない淫靡な欲望が見え隠れするようなものである。鍵穴を覗く趣味といってもいい。この『春琴抄』を剥き出しの形で見せたのが、新藤兼人の『賛歌』だが、この新藤作品を見てはじめて『春琴抄』が何であるのか理解した。
 つまり、これである。妙な喩だが、アラン・ドロンには『春琴抄』における夜の世界を連想させるような淫靡さがある。ヨーロッパのある時期の映画にもそれがあった。秘すれば花とはよくいったものである。

 アラン・ドロンは20歳で外人部隊を除隊し、その後、アメリカ、メキシコを放浪した――と、いうことになっている。しかし、別の話しも伝わっている。その頃、アラン・ドロンはパリを裸足で歩いていたという証言があるらしい。
 個人的にはこの話を信じたい気がする。というのも、アラン・ドロンがアメリカ進出に失敗したのは、英語がまるで駄目だったかららしい。アメリカ、メキシコを放浪していたころもフランス語で押し切ったのだろうか。
 アラン・ドロンがパリを裸足で歩いていたという話は、淀川長治氏の著作に出ている。淀川氏は、
「もし、その話がほんとうなら、アラン・ドロンは陰惨な生活をしていたか、それとも思いっきり自由な暮らしをしていたのでしょうね」
 と、書いていた。さらに、アラン・ドロンという俳優は死後伝記映画を製作されるタイプの役者だとも書いていた。自分でも悪趣味と思いつつ、いつかアラン・ドロンの真実を見てみたいと思う。
 たとえば、パリを裸足で歩いていた時期があったのか? ルキノ・ヴィスコンティとの関係は? マルコビッチ事件の真相は? 興味が尽きない。


 アラン・ドロンについて思いつくままに書いたのは、野沢那智さんの訃報を聞いたからだ。実際のアラン・ドロンの声と野沢さんの声はちがうのだが、ぼくの頭のなかでアラン・ドロンはいまも野沢さんの声で話している。
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Posted on 2010/11/08 Mon. 21:06    TB: 0    CM: 0

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