Gitanの趣味

ひたすら趣味の道を走っています(ニヤリ)

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生活空間のなかの兵士――カミカゼタクシー 

 彼はまずネクタイを買う。一本ではなく何本も。それから目的地に向かう。ふらりと入った洋品店で、数本のネクタイを買った瞬間から、彼はラストに向かって加速をはじめる。彼が目指す場所は、《政治的・暴力的》巨悪の住む邸宅だ。何のためにネクタイを買ったのか。やがてそれがわかる。
 彼はネクタイで一種の投石機のようなものを作る。巨悪の屋敷につくと、彼はネクタイで作った投石機で巨悪の邸宅のガラスを割る。飛ばしたのは石ではなくパチンコ玉を集めたものだったと記憶している。
 突然、ガラスを割られ、邸宅から屈強な用心棒が出てくる。巨悪だけあって敵も多いのだろう、用心棒が常に控えている。投石機で最初のひとりを倒し、用心棒の持っていた木刀を奪い一人を撲殺する。さらに用心棒が持っていた拳銃を奪う。
 その後に続く一連の動作は、水が流れるように滑らかで鮮やかだ。グリップから弾倉をとりだし、弾丸が装填されていることを確かめる。弾倉を戻し、遊底を引き、薬室に弾丸を送り込む。飛び出してきた用心棒を一瞬の躊躇いもなく射殺する。。
 彼は土足で巨悪の屋敷に上がりこむ。撃たれた用心棒はまだ生きている。彼は平然ととどめを刺す。歩きながら撃つ。至近距離から虫の息で倒れている男を撃つのである。銃を撃つこと、人を殺すことが、空気を吸うように当たり前になっている男なのだとそれでわかる。
 しかし、ここに至るまでの彼は優しい男である。控えめで、穏やかで、目立つことのない男だ。そんな男が、ラストで冷酷で衝撃的な暴力をふるう。その瞬間、映画そのものが別の次元に跳躍する。

『カミカゼタクシー』という映画を観た人がどれくらいいるのかわからないが、この映画は傑作だった。扱っているテーマは重いものがある。しかし、扱っているテーマよりも何よりも、ぼくにとってこの映画は、暴力そのものを描いた映画として強く印象に残った。ラスト20分ほどの間に繰り広げられる暴力描写は衝撃的だ。
 北野武も暴力描写のうまい監督だが、この作品における原田眞人も非常にうまい。そういえばこの人の監督作品『さらば映画の友よ・インデアンサマー』でも、川谷卓三さんがラストに殴り込みをかける場面があったと記憶している。あの場面もうまかったし好きだった。
 断わっておくが基本的に暴力的な映画は大嫌いである。非常に不快な作品もある。人生の本質は、インテリ風情がなんといおうと暴力とセックスだといった人がいるが、ぼくはこの考えに否定的である。それから、ぼくはもちろんインテリではない。
 好みの問題はさておくとして、『カミカゼタクシー』における暴力は、主人公の人生と密接にかかわっているという設定である。主人公である日系ペルー人のタクシー運転手は元兵士なのだ。
 しかもゲリラ戦専門である。いってみればタクシー運転手の職を得たランボーのようなものだ。重いテーマを扱っているが、映画はあの『ランボー』の変種のようなもので、その意味では立派にエンターテイメントしているのである。そういうあたりも上手だと思った。
 この映画の主人公は、いってしまえば平凡な日常の中に紛れ込んだ凶器にしかならない刃物のような男だ。彼は両刃の鋭いナイフだが、最後の瞬間まで鞘に収まっている。男が鞘からぬけだす瞬間の飛躍が素晴らしいのである。断わっておくが表現が素晴らしいといっているだけで、決して暴力を賛美しているわけではない。
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Posted on 2009/12/02 Wed. 22:30    TB: 0    CM: 0

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