Gitanの趣味

ひたすら趣味の道を走っています(ニヤリ)

10« 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.»12
 

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

カテゴリ: スポンサー広告

[edit]

Posted on --/--/-- --. --:--    TB: --    CM: --

遠ざかる風景 

 映画『ダーティハリー』のなかで、元祖サイコキラー《さそり》の足をハリー・キャラハンが44マグナムで撃つ。ハリーは、憎んでも余りある犯人《さそり》に近づいていき、その傷ついた足を踏みつける。するとカメラがぐんぐん引いていき、ハリーと《さそり》の姿が、眼下に小さく消えていく。
 何が好きといって、あの場面ほど好きな映画の場面はそうない。遠ざかっていく風景。あの瞬間に『ダーティハリー』は、ぼくの中で名作になった。ただ、映画として考えると『ダーティハリー』は、B級映画の匂いがぷんぷんしている。もちろん個人的な感想である。
 この映画がかつて『日曜洋画劇場』で放送されたとき、当時解説をしていた淀川長治さんが、映画スタッフに一流を揃えた結果、
「この映画は一流になったんですね」
 と、解説されていたのを覚えている。B級映画の装いはしていていも、中身は一流ということか。そのあたりも、あの映画が好きな理由かもしれない。
 サム・ペキンパーがこの映画の監督ドン・シーゲルの助監督をしていたとういことも、淀川さんの解説を聞いてはじめて知った。その時、淀川さんは印象に残ることを言っていた。
「サム・ペキンパーはドン・シーゲルのタッチを盗んだんですね」
 どういうことかといえば、アンチヒーローだという。正義の味方ではなく、時には反社会的であっても自分の流儀を押し通す主人公とでもいえばいいのだろうか。ハリー・キャラハンは確かに反社会的な匂いがぷんぷんする主人公だった。もちろん、それは物語だから許されることで、現実にそんな奴がいたら絶対に近づきたくない。
 映画に話を戻すと、個人的にはペキンパーよりもドン・シーゲルの《感じ》が好きである。ペキンパーの感傷的な感じよりも、ドン・シーゲルの乾いた感じにひかれる。チャンドラーの気取った感傷よりも、ハメットの殺伐とした諦観が好きなのと同じことだ。
 あの映画のラスト、ハリーはバッチを投げ捨てる。我らが矢作俊彦は、
「権力に背を向けた」
 と、いった。
 映画のなかでハリー・キャラハンは現実の矛盾に直面する。彼らの考える正義が正義として通らないことに憤りを感じ、いってみれば私的制裁を犯人に加える。その結果が意味することを百も承知して。だからバッチを捨てて立ち去る。権力に背を向けて立ち去って行くのだ。ぼくにとって『ダーティ・ハリー』はあそこで終わった。
スポンサーサイト

カテゴリ: 映画

テーマ: 洋画 - ジャンル: 映画

[edit]

Posted on 2009/11/06 Fri. 21:38    TB: 0    CM: 5

この記事に対するコメント

「ダーティ・ハリー」は場末の映画館で、なんと「フレンチ・コネクション」との2本立てで観ました!すごいでしょ。
刑事が主人公の映画が流行っていたのかもしれませんね。どちらも好きな映画ですが。
ハリー・キャラハンと比較すると、「フレンチ・・・」の刑事たちは職務を全うすることに疑念を抱いていませんでしたね。きっと、定年までがんばって、老後は、フロリダの陽光の元でバカンスを楽しむのかしら。それはそれで、あとくされのない娯楽映画として王道を行っているように思います。
ハリー・キャラハンは、アウトロウの道を行くしかないひとなのでしょうね。
彼のかざす正義感は、時として、平凡な隣人たちには迷惑なことかも。
話は逸れますが、ドン・シーゲルは「突破口」が好きです。

URL | 花森こま #Xz8LBlHQ

2009/11/09 10:35 * 編集 *

花森こまさん、コメントありがとうございます。

ぼくが好きなドン・シーゲル作品は『ラスト。シューティスト』ですね。これは泣けました。見たときは、驚くなかれまだ十代でした(笑)。映画のイントロでジョン・ウェインのそれまでの映画が、物語の主人公の人生として登場しますが、あそこでもう白旗を上げました。最高でした。

この映画に関して言えば、ずいぶん感傷的だと思いますが、世のなかには何事であれ例外というものがありますから(笑)。とにかく、あの映画は意識的にでしょうが、ジョン・ウェインの映画人生と重なるように作ってあって(ご存知かと思いますが)、ちょっとずるいですね。

後、『殺人者たち』という映画がありますが、この映画と『ブラックエース』というマイケル・リッチの作品を混同してしまうことがよくあります。リー・マービンという俳優さんはとても好きな俳優さんでした。

URL | le_gitan #-

2009/11/10 21:17 * 編集 *

「殺人者たち」はヘミングウェイでしたっけ。うろ覚えなり。邦題は「ポイント・ブランク」?
殺伐とした世界の話なのに、なぜかのめり込んでしまいそうになるのは、安全な「こちら側」にいて映画館で観ているからでしょうか。
リー・マービンは、コワイ役者さんなのに、ジェーン・フォンダの映画(タイトルをど忘れ)では、お笑い系になってましたね。
昔のいろんな映画のほとんどはDVDになっていないものが多く、もう二度と見ることが出来ないだろうと思うと悲しいです。

URL | 花森こま #Xz8LBlHQ

2009/11/11 02:08 * 編集 *

そうでしたね、ヘミングウェイだったと思います。ぼくもずいぶん昔に読んでおぼろげですが、小説の方は殺し屋がやってくることを待っている男だけを描いたもので、その理由は何も説明されていなかったように思います。映画はずいぶんもとの話をふくらませていましたが、ドン・シーゲルタッチは好きですね。

後、リー・マービンとJ・フォンダの映画は『キャットバルー』じゃないですか。リー・マービンがアル中のガンマンで、二役をやっていた記憶があります。アル中のガンマンでない方は殺し屋で、金属製の鼻をつけていて、かつてアル中でなかったころのガンマンに鼻を撃たれたとか、そんな設定だったような記憶があります。

アル中のガンマンがアル中を治していく過程が、感動的ではなく、お笑いで描かれていました。コーヒーかほかの何かだったかはよく覚えていませんが、液体をやたらと飲んでアルコールを抜き、コルセットというのでしょうか、それで出っ張った腹をへこませるという、涙ぐましい努力をして(笑)、ガンマンに戻っていく。

おっかない顔のりー・マービンがお笑いをやっているのは不思議な感じでした。

URL | le_gitan #-

2009/11/11 09:13 * 編集 *

そうそう、「キャット・バルー」です♪
ジェーン・フォンダがロジェ・バディムの作り上げたイメージから脱却して、本来のアメリカ的なかわいらしさを獲得した記念碑的な作品にもかかわらず、どこか小品なのがよかったです。
「ラスト・シューティスト」いいですよね。
ネバダ砂漠でしたっけ、放射能の影響で多くの映画人が亡くなった。ジョンもその悪魔の霧を吸って癌になったということを言われていますが、スクリーンの中でつねにヒーローでありつづけたジョンが、タカ派であったこととか、も思いあわせると、すごいな、と思わせられる映画ですけど、そんなことは抜きにして、ジョンを、ああいいな、って思ってしまいますね。
わたしは、「静かなる男」「ハタリ!」を深夜のTVで観て、ジョンのよさを知ったのですが。
実際にああいう人物が身近にいたら、敬遠しますけどね(苦笑。

URL | 花森こま #Xz8LBlHQ

2009/11/11 10:36 * 編集 *

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://shang2.blog94.fc2.com/tb.php/249-66dd79bf
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

最近の記事

月別アーカイブ

最近のコメント

最近のトラックバック

カテゴリー

FC2カウンター

メールフォーム

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。