Gitanの趣味

ひたすら趣味の道を走っています(ニヤリ)

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騙された気分 

 好きな監督のひとりにS・キューブリックがいる。好きというのはちょっと「?」だが、嫌いでないことはたしかだ。面白い話がある。『シャイニング』の映画化に際して、キューブリックが原作者のS・キングに電話をかけてきた。小説『シャイニング』は素晴らしいといったらしい。その理由は、幽霊がいるのなら死後の世界があるということだ。だから何も恐れなくていい。言われたキングは考えて、
「しかし、地獄があるかもしれないじゃないですか」
 キューブリックはちょっと間を置いて、
「地獄については考えないでおこう」
 このとんちんかんなやり取りが凄くいい(笑)。
 その映画『シャイニング』をキングが認めていなかったのは有名な話だ。あの映画はキャディラックだ。ただしエンジンがついていない。ちょっと違ったかもしれないが、まあいいだろう。否定的であることはわかるでしょう。個人的にいえば、あの映画はそんなに悪い映画ではなかったと思う。怖いとは思わなかったが、それを言い出せば、モダンホラーというジャンルそのものが怖いという感じではない。
 余談だが、怖いというのなら、たとえばタルコフスキーの映画は怖い。ベルイマンの映画も怖い。パゾリーニの映画も怖かった。この世界的な名監督たちは、別にホラーを撮るつもりはなかっただろうし、映画もホラーではないが、何か得体の知れない怖さが全体から滲み出していた。

 キューブリックの『2001年宇宙の旅』は怖かった。
 この映画をはじめて見たのは小学生のころだった。宇宙船と宇宙ステーション、まさにSFそのもののポスターを眺め、期待に胸を膨らませつつ映画館に入ったはいいが、はじまって出てきたのはお猿さんだ。騙されたような気がした。お猿さんの場面が延々と続き、挙句にわけのわからない黒い板である。子供にとってはもう詐欺にあったようなものだった。
 小学生の目には得体の知れない黒い板にしか見えなかった――事実、あれは黒い板以外の何物でもなかったのだが――モノリスに触れた猿が、骨を武器にして仲間を殺す。人類の最初の道具は武器で、しかもその武器は、仲間に対して使われた。実に意義深い場面だったのだろうが、ぼくは小学生である。「わかんねぇよ~」だ。そして仲間の血を吸った骨を空高く放り投げて、それが人工衛星に変わるあの場面は、時間が過去から未来へと一瞬で繋がる映画ならではの名場面――と誰かが書いていた――なのだろうが、何度もいうが小学生である。あまりのわからなさに目を白黒させていた。
 あの映画はいま見てもわからない。アーサー・C・クラークの小説(原作ではなく小説)には色々と説明があり、多少はそういうものかと思えるようになったが、映画と小説は別物かもしれない。ディスカバリー号の行く先も小説が土星で映画が木星だった。
 とにかくあの映画は、昔も今もぼくにとってさっぱりわからない映画だが、名作であることはまちがいないと思う。それも映画史に残る大傑作だ。
 小学生のぼくがあの映画を見ていて、恐怖に震えた場面がある。人工知能ハルを、ボーマン船長が破壊する場面だ。真空の中で、宇宙服もつけず、ポッドからディスカバリー号に乗り移る場面からすでに怖かった。あの場面はまったく音がしない。ぞーっとした。そしていよいよハルを破壊する場面。ハルの中にある様々な情報が引き出されてくる。おかしな歌まで流れる。あれは怖かった。今見てもあの場面は怖い。ホラーというのなら、あの場面はまさにモダンホラーだった。
 こうして考えてみると、怖いというのはなにも超常現象を描いたり、殺人鬼を描いたりするばかりではないだろう。超一流の監督がその気で描けば、お花畑の中で転寝をしている場面でも、恐怖を感じさせられるものかもしれない。
 小学生のころ騙されたような気がした映画だが、『2001年宇宙の旅』を子供時代に見ることができて、やはりよかったと思う。
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カテゴリ: 映画

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Posted on 2007/07/02 Mon. 19:29    TB: 3    CM: 0

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参考文献 アーサー・C・クラーク『決定版 2001年宇宙の旅』 (全面改訳版) ISBN 415011000X ―― 『失われた宇宙の旅2001』 (草稿など) ISBN 4150113084 ジェローム・アジェル 『メイキング・オブ・2001年宇宙の旅』 ISBN 4789712753 ピアーズ・ビゾニー 『未来映画術「20

SFについて

2007/07/19 00:17

SF・ホラーがいっぱい

知らないうちに出てました^^;待ちに待ったマイルズ君シリーズ提督とヴォルの狭間で揺れるマイルズ君のターニングポイントです。ヴォルコシガンシリーズの待望の新刊。上下巻、一気に読みきりましょう。ヴォルコシガン・シリーズの最新刊。今回、あまり内容は濃くないのです

SF・ホラーの厳選紹介

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