Gitanの趣味

ひたすら趣味の道を走っています(ニヤリ)

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伝説の作り方 

 香港ノワールと呼ばれる一群の作品をよく見ていたころ、日活無国籍アクションを思い出した。香港ノワールというのは一時期ブームになった香港製ギャング映画だ。日活無国籍アクションがどういうものかということについては、記念すべき矢作俊彦第一回監督作品『アゲイン』を見ていただければわかると思う(笑)。

 日活無国籍アクションという呼び方を日活がしてしていたのかどうかわからないが、1950年代から1960年代にかけて制作された日活アクション映画のことだと思っている。ただこれはあくまでも個人的な考えで、映画史的にいつごろまで制作された映画をそう呼ぶかは知らない。さらに個人的な考えを述べると、原田芳雄さん藤竜也さんらが主演したころの作品、日活がポルノに移行する前に制作された作品は、アナーキーな感じでそれなりに面白くはあるが、無国籍アクションと呼ばれた一群の作品とは少しちがうように思う。冒頭でもちらりと触れたが、矢作俊彦さんの映画作品『アゲイン』で取り上げられた作品が、やはり日活無国籍アクションと呼ばれるべき作品だと思っている。

 香港ノワールと呼ばれる一群の作品はストーリー的にいえば、日活無国籍アクションというよりも、日本のやくざ映画の筋立てに近かったのかもしれない。しかし、やくざ映画と決定的にちがったのは、その銃さばきのかっこよさだった。薬莢の飛ぶリアリティであり、弾丸を撃ち尽くした銃のスライドが開いたままとまる機能美だった。

 もちろん電気的に銃火を作っていたという日活無国籍アクションで使われた小道具としての拳銃に、スライドが動き、薬莢が飛ぶというようなリアリティはなかった。それでも銃さばきのかっこよさは、後のリアリティばかりを追求したやくざ映画よりもはるかにあった。和製西部劇ののりで作られた日活無国籍アクションならそれも当然だと思う。西部劇とガンプレイは切っても切れない。もっともこれも後になるとリアリティが優先されて胸のすくようなガンプレイは見られなくなるが。

 拳銃を扱うことをかっこよく見せることには賛否もあると思うが、個人的にいえばありえないかっこよさを見せることは、つまり架空のお話だといっているのと同じことだと思っている。本物のチャンバラは正視に堪えないだろうが、室戸半兵衛の心臓から噴出した血は表現として許される。そんなところではないか。

 日本では過去の一風景になってしまったような日活無国籍アクションが香港で命脈を保っていた――と、当時はそんなふうに思ったりもした。

          *

 日活無国籍アクションのことを思い出したのは、先日テレビで昭和のスターのなかからベスト10を選ぶという番組を見たからだ。栄えある昭和の男性スターベストテンに選ばれたのは、あの赤木圭一郎だった。いわずとしれた日活映画のスターだ。ぼくはこのひとが大好きだった。

 この点は声を大にしていいたいのだが、ぼくは日活無国籍アクションをリアルタイムで見た世代には属していない(笑)。もう少し若い。好きになったのは、叔母の影響だ。叔母は娘時代日活映画の大ファンだった。特に赤木圭一郎の大ファンだった。映画俳優として活動した時期はわずか三年。21歳で事故死した彼は、よくいわれることだがジェームス・ディーンと重なる。映画とは異なり赤木圭一郎というひとは運動神経があまりよくなかったらしい。だからゴーカートに乗ることをみんな危ぶんだという話をどこかで読んだ記憶がある。

 叔母にいわせれば、あのころのスターはほんとうにかっこよかったという。この点については同感である。平均的な日本人とは異なる肉体を持っていたのは当然のこととして、ほとんどの日本人とはかけはなれた生活をしていた。憧れの対象として仰ぎ見る存在だった。絶対に手のどとかない存在だった。

 しかし、これは虚構だ。現実には存在しないから手が届かない。肉体も暮らしぶりも、憧れの対象になるようにつくられたものだ。現実の人間としての彼らの身長は、公称よりもずいぶん低かったという話を聞いたことがある。ただ、虚構にはちがいないが、気合いの入った虚構だったろうし、スターの側も四六時中スターでいることのしんどさによく耐えていたように思う。

 翻っていまのスターはずいぶんと自分たちに近いようだ。恋人がいて結婚して、子供がいて――と、こうなると、テレビや映画で何を演じても、お仕事としてそれをしているようにしか見えなくなってくる。かつてのスターたちも、もちろん仕事として殺し屋や探偵やその他諸々の役を映じていたわけだが、こちらは騙されたいと思ってドラマを見ている。あまりあからさまに私生活が見えてくると、いくら騙されたいと思っていても騙されにくくなってしまう。いまでも私生活が見えないスターといえば高倉健さんくらいではないだろうか。

 もしかしたら手が届くのではないかという錯覚を起こさせるほどだ身近な感じがいまは大切なのかもしれないが、個人的にはもうちょっと神秘的な部分がほしいところだ。普通っぽさが受け入れられる時代は、見る側もテンションを下げて見られるし、御本人たちも楽だとは思うが、ときどき少し物足りないような印象を受けることもある。エースのジョーはスターだったが、宍戸錠は俳優さんだ。

 今と昔のスターのちがいは、映画のスクリーンとテレビの画面のちがい、ようするにサイズの違いなのだろう。あの大きなスクリーンで、圧倒的な存在感を示すためには、日々の気構えと暮らしぶりが大切だということなのか。等身大というのは親しみは持てても、純粋に憧れる対象にはなりにくいのかもしれない。

 いまから何十年かたち、この時代を振り返ったときスターベストテンにはいったい誰が選ばれるのか、とても興味がある。はたして伝説になれるようなスターがいるのかどうか。
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カテゴリ: 映画

テーマ: 日本映画 - ジャンル: 映画

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Posted on 2008/05/10 Sat. 12:49    TB: 0    CM: 0

リアルに渡世人 

 股旅小説の定番「義理と人情」を「孤独と虚無」に置き換えて一世を風靡したといえば噂の「木枯し紋次郎」だ。しかし、「孤独と虚無」の翳をもった渡世人を主人公にした物語はこれが最初というわけではなかった。「ひとり狼」という傑作がある。市川雷蔵主演の、この映画の主人公追分の伊三蔵が紋次郎の原型のようにも思える。もっとも伊三蔵には湿っぽい背景事情があり、そのあたりが乾いた紋次郎と、違うといえばちがう。

「乾いた」と書いたが、ようするに救いがないということでもある。「木枯し紋次郎」はただ救いもなく暗い物語だった。顧みる昨日もなく、明日への希望もないという、生きているのが嫌になるような今日を生きている主人公である。

 こんな主人公を、お茶の間に登場させるにはそうとう勇気がいったのではないか。約束のない日々を生きているのはなにも紋次郎に限ったことではない。自分たちだって似たようなものではないか……と、そんなふうにドラマにうっかりはまると厭世感にかられてしまう。

 実際、テレビドラマ化されるにあたって、「こんな暗い話を放送できるか」という声があったという話を聞いた。いったんは放送を見送られかけたという話も聞いたが、放送され大人気を博した。実際によくぞ放送に踏み切ったものだと思う。

「木枯し紋次郎」を語るときキーワードになるのがリアルということだ。あの殺陣はリアルだった。うまくリアルを演出していたというべきか。問題はあの汚さがリアルかどうかということだ。

 池波正太郎氏は当時の無宿人について、決して薄汚くなかったとエッセイに書いていた。理由は、ただでさえ役人に目をつけられやすい無宿人は身綺麗にして、できるだけ目立たないようにしていたというのである。だからただ汚いだけの時代劇はリアルではないという。説得力がある。江戸時代に関する池波正太郎氏の知識は凄まじかったらしい。

 当時の旅烏や無宿人が実際はどうだったのかぼくにはわからない。それだけの知識がない。黒澤映画「用心棒」に登場した無宿人たちはきれい汚いの前に、怪物じみてグロテスクだった。デフォルメされた登場人物は黒澤映画の特徴だから、現実の風景とはまたちがうことは事実だ。有名なことだが、あの《馬目の宿》の道の広さは現実のものの倍はあったということである。

 話を「木枯し紋次郎」に戻すと、トレードマークは長い楊枝だ。これは歯磨き用の楊枝ではない。江戸時代、歯ブラシ代わりに使われていた楊枝は房楊枝で、これは一方は先端が尖っているが、片方は房のような形をしている。こんな楊枝をくわえていては、木枯しの音どころかまともに喋ることもできない。

 都筑道夫さんの作品に「チャンバラもどき」という作品がある。どんな話かといえば主人公が古今の有名な時代劇の主人公になりきって活躍(?)するという、一種のパロディ小説集である。そのなかに「木枯し紋次郎」が登場する。この紋次郎がなにを勘違いしたのか房楊枝をくわえて登場する。おかげでまともに喋れないという抱腹絶倒の場面がでてくる。

カテゴリ: 時代劇

テーマ: 時代劇 - ジャンル: テレビ・ラジオ

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Posted on 2008/05/01 Thu. 21:07    TB: 0    CM: 0

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