戦争とトビー
剥きだしの肋骨は戦争を憎みつづけるだろう……
吉田卓郎はそう歌った。『アジアの片隅で』だったろうか。作詞は岡本おさみさんだったっはずだ。
いまも読んでみたいマンガがある。
『トビー』
というタイトルだったと思うが、誰が描いたのかはっきりとした覚えがない。女性の漫画家の未発表作品集か何かあったと思う。ストーリーもどうもいまひとつ曖昧なのだが、ぼくの記憶にあるストーリーはこんな感じだ。
トビーという少年の父親が戦死する。大人たちはそのことをトビーに隠そうとする。しかし、見かねた一人の大人がトビーに父の死を告げる。しかし、トビーはすでに父の戦死を知っていた。トビーは言う。父親は戦死した。自分は誰を憎んでいいのかわからなかった。だから、自分にその事実を最初に告げる誰かを永久に憎み続けることに決めていたと。
そんな話だったと思う。
父を殺したのはもちろん、トビーに父の戦死を教えた大人ではない。それでも彼はもしかすると、憎まれても仕方がないのかもしれない。戦争を起こしたのは彼ではないかもしれないが、戦争を許容したということで、遠く、あるいは近く、トビーの父親の戦死の片棒を担いだ可能性があるからだ。この場合の許容というのは積極的に反対しなかったという意味だ。
その意味で言えば、大人は皆トビーの憎しみの対象になれる資格がある。
いまは大人を憎むトビーも、やがては憎まれる大人になるだろう。
しかし、そう考えることは、この漫画のテーマから外れることになるかもしれない。
吉田卓郎はそう歌った。『アジアの片隅で』だったろうか。作詞は岡本おさみさんだったっはずだ。
いまも読んでみたいマンガがある。
『トビー』
というタイトルだったと思うが、誰が描いたのかはっきりとした覚えがない。女性の漫画家の未発表作品集か何かあったと思う。ストーリーもどうもいまひとつ曖昧なのだが、ぼくの記憶にあるストーリーはこんな感じだ。
トビーという少年の父親が戦死する。大人たちはそのことをトビーに隠そうとする。しかし、見かねた一人の大人がトビーに父の死を告げる。しかし、トビーはすでに父の戦死を知っていた。トビーは言う。父親は戦死した。自分は誰を憎んでいいのかわからなかった。だから、自分にその事実を最初に告げる誰かを永久に憎み続けることに決めていたと。
そんな話だったと思う。
父を殺したのはもちろん、トビーに父の戦死を教えた大人ではない。それでも彼はもしかすると、憎まれても仕方がないのかもしれない。戦争を起こしたのは彼ではないかもしれないが、戦争を許容したということで、遠く、あるいは近く、トビーの父親の戦死の片棒を担いだ可能性があるからだ。この場合の許容というのは積極的に反対しなかったという意味だ。
その意味で言えば、大人は皆トビーの憎しみの対象になれる資格がある。
いまは大人を憎むトビーも、やがては憎まれる大人になるだろう。
しかし、そう考えることは、この漫画のテーマから外れることになるかもしれない。
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